D’APRÈS UNE HISTOIRE VRAIE ─本当にあった話から
クリスチャン・リゾー
2024年、ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルは、日本で開催されるフェスティバルの一環として、クリスチャン・リゾーによる『D’APRÈS UNE HISTOIRE VRAIE(本当にあった話から)』を上演します。
8人のダンサーと2人のドラマー。「男らしさ」というくびきにとらわれた10人の男性たち。およそ10年前に誕生した この作品は、優雅で情熱的な動きによって不安をひとつずつ打ち砕きながら、両極を抗いがたく行き来するような流動性への扉を開きました。パフォーマーたちにはここで、伝統 と現代性の分裂を繊細に解きほぐしていくこの振付作品を、改めて展開しなおすことが求められます。感情の記憶 を熱狂の頂点へと導き、題材を限界まで押し拡げるような、 極めて重要な作品です。大地のリズムと波打つ身体との摩擦の中で、ダンスは自らの身体性を探求し続けます。音楽と 歩調を合わせながら、部族の儀式から幾何学的な形、虚構から抽象、グループからコミュニティへと広がっていくの です。しかし、土地をもたない人々の物語が浮かび上がる のは、常に他者の存在に支えられて結束を固める、運動という秘密裏に結ばれた連帯を通じてなのです。ダンサーたちは、絶え間なく繰り返されるダンサー同士の接触に反応して倒れ、差し伸べられた手の心地よさに駆け寄り、心を込めて握り締めます。1人でいたかと思うと結びついては 離れ、そして、再び結びつきます。連帯? これは、非常に切実な問題なのです。
テキスト © ノエミ・シャリエ
アーティストについて
クリスチャン・リゾー
2021年、ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルは、モンペリエ=オクシタニー国立振付センター(ICI-CCN)のディレクター、クリスチャン・リゾーの次回作品『miramar』を後援しています。