創造 継承 教育

Dancer Dance Reflections by Van Cleef & Arpels

創業以来、ダンスの世界と深く関わってきたハイジュエリーメゾン、ヴァン クリーフ&アーペル。2020年に〈ダンス リフレクションズ by ヴァンクリーフ &アーペル〉を立ち上げることで、この芸術との絆をさらに強固なものにしています。

創造、継承、育成という3つの価値観を指針とするこのイニシアチブは、新しいダンス作品の制作を奨励する一方、振付の伝統を継承し 続けるアーティストや団体を支援することを目的としたものです。発足以来、数多くのダンスカンパニーの創作活動や、国際的な舞台で作品を発表するさまざまな団体を後援してきました。この充実した内容のプログラムを補完するのが、2022年以来毎年開催されている〈ダンス リフレク ションズ by ヴァンクリーフ&アーペル フェスティバル〉です。振付作品の "創造"やプロモーションを支援することに加え、ダンス リフレクションズは "継承"と"育成"の課題への取り組みにより力を入れるようになっています。 このため、振付文化の認知を高めるための活動に参加するほか、プロかアマチュアかを問わず、あらゆる観客を対象とした芸術的なレジデンシーを組織するなどの活動を行っています。そのネットワークは現在、15か国45のパートナー組織にまで広がり、プロジェクトごとにさらに成長を続けています。

多面的な取り組み

ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルのイニシアチブは、メゾンとダンスの世界を結びつける関係性に新たな章を拓くものです。国際的なパートナーとのコラボレーションにより展開されるこのプログラムは、振付の伝統をサポートし、現代のクリエーションを育み、この芸術の世界を可能な限り幅広いオーディエンスに届けたいというヴァン クリーフ&アーペルの想いを体現しています。

“メゾンは、ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルという活動を通じて、モダンダンスとコンテンポラリーダンスを支援し、新たな振付の創作を奨励することを目指しています。”
Nicolas Bos’ portrait, Van Cleef & Arpels

ニコラ・ボス © Patrick Swirc - Van Cleef & Arpels

「1960年代のクロード・アーペルとジョージ・バランシンとの出会いから、バンジャマン・ミルピエのL.A.ダンスプロジェクト(LADP)とのパートナーシップ、世界各地のさまざまなカンパニーやオペラとのコラボレーション、FEDORA-ヴァン クリーフ&アーペル バレエ賞まで、ダンスはメゾンがその歴史を通して情熱を注いできた重要な分野です。2020年、ヴァン クリーフ&アーペルは、この分野に関する活動を統合することで、さらに一歩前進したいと考えました。ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルのプログラムによって、メゾンはモダンダンスとコンテンポラリーダンスを支援し、新しい振付の創作を奨励することを目指しています。」

ニコラ・ボス

ヴァン クリーフ&アーペル プレジデント兼CEO

文化と共有

ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルは、さらに、一般の方々のダンスの歴史と文化に対する認識を高めることを目的としています。メゾンは継承と教育という価値観のもと、毎年恒例のイベントを補完するものとして、ダンスの歴史を辿る映画の上映、多彩なレクチャー、アーティストによるマスタークラス、誰もが参加できるワークショップなど、プロからアマチュアまですべてのオーディエンスを対象とした文化プログラムを計画しています。

“ダンスは、すべての芸術分野をひとつにします。魅惑的な芸術形態であり、驚きに満ちた表現分野なのです。”
portrait Serge Laurent

セルジュ・ローラン © Marc de Groot - Van Cleef & Arpels

「ダンスは、音楽、造形芸術、衣装、照明、舞台装置、グラフィックデザイン、さらにはジュエリーまで、あらゆる芸術分野をひとつにします。魅惑的な芸術であり、驚きに満ちた表現分野なのです。だからこそ、これほど幅広い観客を魅了するのです。先入観をもたず、自由に作品を鑑賞していただければと思います。」

セルジュ・ローラン

ヴァン クリーフ&アーペル ダンス&カルチャー プログラム ディレクター 
 

ヴァン クリーフ&アーペルとダンス

メゾンがダンスの世界とともに築いてきた歴史は、1920年代のパリに始まります。創業者のひとりであり、バレエの熱心な愛好家であったルイ・アーペルは、ヴァンドーム広場から程近いオペラ・ガルニエに、甥のクロードを連れて足繁く通っていました。ヴァン クリーフ&アーペル初のバレリーナ クリップが誕生するのは、1940年代初頭のことです。発表されるや、瞬く間にメゾンを象徴する作品となりました。

1950年代、クロード・アーペルがニューヨーク シティ バレエ団の共同創設者であり、世界的な振付家として知られるジョージ・バランシンと出会ったことをきっかけに、メゾンとダンス界とのつながりはさらに深まりました。ふたりが共有した宝石への情熱から芸術的な絆が花開き、バランシン作のバレエ「ジュエルズ」に結実します。本作品は、1967年4月にニューヨークで初演されました。物語のないこの演目は全3幕から成り、それぞれひとつの宝石とひとりの作曲家に関連づけられています。第1幕「エメラルド」はガブリエル・フォーレ、第2幕「ルビー」はイーゴリ・ストラヴィンスキー、第3幕「ダイヤモンド」はピョートル・イリイチ・チャイコフスキーという構成です。
 

Pierre Arpels and George Balanchine surrounding the dancer Suzanne Farrell

ピエール・アーペル、スザンヌ・ファレル、ジョージ・バランシン、1976年頃

クロード・アーペルとジョージ・バランシンとの出会いの物語をなぞるかのように、2012年、バンジャマン・ミルピエとの新たなコラボレーションが始まりました。バンジャマン・ミルピエは、ヴァン クリーフ&アーペルの支援を受けて、自身が主宰するL.A.ダンスプロジェクトとともに、 「Reflections」(2013年)、「 Hearts & Arrows」 (2014年)、 「On the Other Side」(2016年)から成る3部作「Gems」に加え、2019年にはバレエ「Roméo et Juliette」を創作しました。

2020年代以降、メゾンはロンドンのロイヤル オペラ ハウス、モスクワのボリショイ劇場、オーストラリア・バレエ団など、世界有数の機関と提携しています。また、中国での中仏文化祭(Festival Croisements)を支援しています。このフェスティバルは、特にダンス分野における中国とフランスの芸術的な出会いを祝福するものです。

L.A. Dance Project dancers in Reflections by Benjamin Millepied

「Reflections」 – バンジャマン・ミルピエ - L.A.D.P © Laurent Phillipe